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10代の次に多い40代の人工妊娠中絶

日本では年間約100万人の赤ちゃんが誕生しています。
待ち望んで生まれた赤ちゃんはかけがえのない宝物です。
しかし、望まない妊娠があるのも現実です。
その場合は人工妊娠中絶という選択をすることになります。
その数は、年間約20万人弱とも言われており、たくさんの命が医療廃棄物として処理されています。
高い中絶率です。

近年では、年々出産数も中絶数も減っている傾向が見られますが、中絶率そのものに大した変化はありません。
日本は、世界で最も中絶率の高い国の一つに数えられます。
その大きな理由として、コンドームへの過度な信頼、膣外射精を避妊と捉えてしまっていることなどが挙げられます。
何れにしても、避妊への意識は高いとは言えず、その結果招くのが中絶率の高さという現実です。

赤ちゃんを産まないという選択をするには様々な理由があります。
若さゆえ、子どもを育てられる環境になかったり、そもそも赤ちゃん作る気はなかったり、単純に避妊に失敗したりという場合などです。
中絶という言葉を聞いたとき、まず頭に思い浮かべてしまうのは若い世代、10代の問題です。
確かに、年齢別に見ると10代の中絶率は高いと言えます。

全額自己負担の費用を払ってでも中絶に踏み切る若者が多いのは、考えなければいけない問題です。
しかしその次に多い世代は実は、40代です。
これは、意外に知られていない事実で、メディアなどを通じてもあまり知る機会がありません。

40代の中絶率が高くなっている理由として、大人世代の年齢であっても、避妊の認識が甘いことがあります。
ごく当たり前の話ですが、生理が来ている間は妊娠の可能性があります。
30代半ばを超えたあたりから妊娠しづらくなるのは確かですが、全くしなくなるわけではありません。
コンドームへの過信や女性にも男性にもある避妊に対する油断が重なり、思わぬ妊娠がこの年齢あたりで増えます。
避妊への意識が薄いと、妊娠をする事は当然あり得る事態です。
出産、子育てをするという選択肢に踏み切れない人は、中絶を選ぶことになります。

人工中絶後の後遺症はあるのか?

人工中絶という選択肢を選んだ場合、そのあと苦しむ人が多いのも現実としてあります。
中絶には高いリスクが伴うからです。

産婦人科で中絶された12週未満の胎児は、医療廃棄物として扱われます。
医療廃棄物とは、医療行為に関係して排出される廃棄物のことで、いわゆるゴミです。
命としてお腹に宿った胎児が産婦人科から医療廃棄物としての扱いを受ける事実は、とてもショッキングです。
しかし、これが受け入れなければならない現実で、この点に苦しむ女性は当然多くなります。
精神的に追い込まれるリスクが、中絶にはつきまといます。

初期妊娠期間という時期を過ぎれば、中絶手術は基本的に出産と同じような形式となります。
薬で陣痛を強制的に起こさせ、中絶をする行為は、命を強く意識させ、精神的な負担となります。

費用の問題もあります。
中絶すると決まってからは産婦人科でかかる費用は保険適用外なので全額自己負担です。
保険適用外という事実も、女性にのしかかる大きな負担です。
産婦人科に行って、妊娠がわかった時やその次の診療までは出産を前提とした医療とみなされ、保険適用外と言う事はありません。
しかし、中絶という選択をした時からは保険適用外となり、全額自己負担になってしまいます。

中絶にかかる費用は、産婦人科によってまちまちです。
一律いくらと決められてはいないので、産婦人科により違ってきます。
初期であれば費用は、概ね8万円から15万円といったところです。
安くは無い費用が全額自己負担でかかることになります。
年齢や生活環境によっても、費用に対するリスクは違いますが、負担であることには変わりありません。

肉体的負担に加え、保険適用外で全額自己負担となる費用の問題、医療廃棄物として処理される胎児への思い、様々なリスクが中絶後の後遺症として女性に降りかかります。
心のリスクに対するケアも年齢を問わず考えなければならない大きな課題です。